四国〜四万十川を訪ねて(佐賀関〜宇和島〜四万十川〜足摺岬) |
2000年5月3日〜5日 |
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3連休でどこか走ろうということになり 候補地としてあがったのがこのコース である。一度は是非行ってみたかった 四万十川。 幸い天気は上々で、いつものように同 行の友人と無線(アマチュア無線)を 使いながらのツーリングとなる。今回 はこれに加えて友人のバイクにはナビ がセットしてあることも興味深い点だ。 |
1日目(5月3日) | ||
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5時10分出発、多久より高速道路に入り、9時に 大分県佐賀関町着。ゴールデンウィークのラッシュ で国道九四フェリーが大混雑。4時間も待って、やっ と13時発三崎行きに乗ることができた。 予海峡を渡り、14時に三崎港に上陸。天気は快晴 で、左右に海が見え隠れする佐田岬半島を快調に 走る。瀬戸町の道の駅休憩して八幡浜市を経由し, 宇和島市到着17時20分。走行距離299q。 宇和島の宿は途中で予約したビジネスホテル。近 くに銭湯があったので、ゆっくりお湯につかった後は ちょっと変わった鯛飯定食で満腹に。鯛飯は釣れた ばかりの鯛をアツアツご飯の上にのせ、生卵を落と したタレをかけて食べる。舟の上で漁師が豪快に食 べた地元の味。食後は、男2人でカラオケで2時間 歌いまくり腹ごなし。あとはホテルに帰って寝るだけ という、いたって健康的な夜であった。 ホテルに帰ってテレビをつけると、高速バスジャッ クの報道で騒いでいる。痛ましい犠牲者も出て,少 年犯罪の凶悪化を象徴する残念な事件となった。 |
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4時間待った佐賀関港 | ||
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愛媛県瀬戸町の道の駅で | 鯛飯定食で満腹に |
2日目(5月4日) | |
8時45分ホテル発、まずは宇和島城を見学。築城400年を迎える宇和島城は伊達氏の 居城であった。小高い丘の上にある小さな天守閣は昔のままに残され最上階からは宇和 島市内が一望できた。宇和島市内の観光はお城だけにして、今回のツーリングのハイラ イトである四万十川めざして出発する。国道381号線を南下し、愛媛県松野町から高知 県西土佐村に入る。 県境を越えてしばらくして、谷間をゆったりした流れる川に出会った。これが清流で名高 い四万十川である。広い河原には4WDの車がとまり、キャンプしている家族や若者たち やカヌーを楽しむ人達でにぎわっている。 四万十の流れはうわさにたがわぬ清流で、しかも、かなり海から距離があるのに水量 が多くて流れは悠々としている。しかし、川の長さ自体は短いのである。変な表現だが, 「小さな川なのにゆったり流れる、大きな川」なのである。 |
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コンパクトな宇和島城 | 西土佐村で四万十川に出会う |
四万十川に思う 「小さな川なのに大きな川」 その理由を考えてみた。地図で四万十の川筋を上流にたどれば、いくつかの支流は四国山地に姿を消す。「小さな 川なのに大きな川」である第1の理由は、四国山地の険しい山肌に降る雨を万遍なく効率的に集めているということ。 第2の理由としては下流域に大きな平野がないことと流域人口が少ないため、農業用水、工業用水、飲料水として 利用されることが少ない。よってダムもなければ川から分水する用水路もないからということであろう。というのは, あくまでも推測である。誰か詳しい人があったら教えていただきたい。 四万十川の中流に点在する沈下橋。狭くて大型車は通りにくい、生活のためだけの橋である。しかし、大規模な橋 を造ることによる環境破壊からは免れる。四万十川に沿って下流に向かい、中村市に出る国道441号線は道幅が 大変狭くて時々離合待ちで待たされる。ゴールデンウィークとあって、上流方向に走る車も多い。なぜ道幅を広げな いのかと、最初は不思議であった。中村市に近づけば広くなるかと思ったが、市街に入る直前まで普通車の離合も 困難なほどの狭さ。 しかし、あとで思ったことは、昔のままの道幅にしているから自然破壊から逃れられているのではないか。山肌を切 り開き道を広げれば便利にはなるが森林伐採も進む。山肌をコンクリートで覆いつくすと森林の持つ保水力も衰え、 四万十の流れは弱々しくなったであろう。国や高知県には、是非四万十川周辺の道路工事はしないで,今のままの 状態を守って欲しいというのは単なる旅行者のエゴであろうか。近隣の住民の人々も少々の不便さよりも,自然が大 切と思っていただいたら、大変ありがたいなと思ったことである |
好天の連休、カヌーに興じる人達 | ヤマハディバージョンで沈下橋をわたる |
中村市を抜けたところで遅い昼飯にする。観光客が立ち寄る店に寄ったのが失敗で、大幅に待たされてしまった。 そのために、出発時間は15時を回っていたが、日没時間の遅いこの季節とあって、足摺岬に着いたときには陽は 傾いていたがまだ夕日には時間が早かった。 足摺岬は、大学時代の中国・四国一周ツーリング以来である。岬の展望台では、四国らしくお遍路さんたちの集 団と一緒になった。岬からは、ジョン万次郎の生地である土佐清水市を通過して、竜串海中公園を経由して今夜の 宿泊地である宿毛市に向かった。 ホテルをフェリー発着所の近くに決める。夜は夕食の場所を求めてさんざん歩き回った。小さな町で、これという店 が見つからない。やっと見つけた店で、高知だぞ、土佐だぞとばかりに、鰹のタタキを食べる。ガイドブックに載って いるわけでもない。一流の店でもない。地元の人が行くような平凡な店。でも、旅先で食べる料理はおいしい。あん まり飲めないけどビールもうまい。千円札数枚でできる贅沢である。明日も走るからと、安全のために無理して騒が ず、体力は温存する程度の夜の過ごし方。本当に、これがツーリングの醍醐味。 |
陽が傾き始めた頃、足摺岬に着いた | 太平洋の大海原、地球の丸さがわかる |
5月5日 |
8時30分発、宿毛港から大分県佐伯港へのフェリーに乗船。料金はバイク料金込みで1520円である。所要時 間2時間30分で、佐伯港に到着。佐伯から野津町に向かう。虹潤橋(こうかんきょう)は県道竹田野津線を三重町 に向かって走り、三重川を渡るときに右手奥に見える,文政7年に建造された,橋長31.0mの優美なアーチ式の石 橋である。現在も車も通れる現役の橋である。 虹潤橋を見てしばらくいくと緒方町に入る。大分県の石仏としては臼杵の石仏が有名であるが、大分県には各地 に石仏が残されている。緒方町には宮迫西石仏・宮迫東石仏があるので立ち寄ってみることにした。 宮迫西石仏は中央に釈迦如来、左に薬師如来、右に阿弥陀如来という、仏像としては単体でも徳の高い如来様 が三体セットで鎮座している。東石仏は、中央が大日如来、左に持国天、右に不動明王を従えている。制作年代 は平安時代末期までさかのぼると考えられている。どちらも彩色は随分風化しているが、地方の仏教文化を伝え るものとして貴重な遺跡である。 次に、同じ緒方町にある九州のナイアガラと呼ばれる原尻の滝を見る。規模は本家と比べると比較にならないが なるほどナイアガラと呼ばれるように、帯状に落下する滝は珍しい。これと似たような滝が鹿児島県にあり、こちら は「曽木の滝」という。ここから竹田市、小国町を抜け、帰りは日田ICより大分自動車道に乗って帰ってきた。 |
虹潤橋は現在でも自動車が通る | 「九州のナイアガラ」原尻の滝 |
宮迫東石仏、中央に大日如来が鎮座 | 友人のナビが注目を集めた |
おわりに 今回のツーリングは、これまで走ったことのない四国の西側部分を走るコースで期待も大きかった。ゴールデン ウィーク真っ最中ということで、佐賀関でのフェリー4時間待ちという誤算はあったが、天気にも恵まれ、2泊3日の 行程は距離的にも無理がなく楽しいツーリングとなった。今回、同行の友人はナビをセットして来たが、知らない道 を走るときには重宝するものだと思った。距離や時間のロスも少なくなる。しかし、ナビ頼りになってしまえば、途中 の思いがけぬポイントも見落としてしまうおそれがある。その点に留意すれば、ナビは強力な武器である。 今回のコース周辺で、いつか行きたいコースは高知から愛媛に出る「龍馬脱藩の道」である。いつになるかわか らないが、3泊の日程がとれたら是非いきたいコースである。 |
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