ミニツーリング・さくら紀行<2006.4.2(日)>
はじめに,伊万里市山代町の明星桜 また多忙な年度末,年度始めがやってくる。送る人,送られる人,出会いと別れの年度の替わり目。しかし,今年は4月 1日,2日が土日となり,いくらか気持ちの切り替えの余裕があるようだ。そこで,近場のさくらの名所を訪ねるミニツーリ ングを思いついた。 まずは,一週間前に出かけたがちょっとまだ花見には早かった伊万里市の明星さくらを訪問した。先週と違うのは車が 多く,観光バスも2台ほど来ていて見物客が多かったことである。花はすでに満開を過ぎており落花さかんであったが, それもまた風情があってよかった。 |
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かなりの老木であるが,精一杯花を咲かせていた | 散り果てた花びらが大木の根もとを飾っていた |
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静かな山里を見下ろす山の斜面で,老いてなお精一杯に花をつけた老木 |
MRまつうら鉄道,浦ノ崎駅のさくら 明星桜を出て国道204号線を15分ほど西の方に走ると左手前方に桜並木が見えてくる。ところが,十数年前に見た 光景とはかなり様変わりしている感じである。一週間前に来た時はまだ開花したばかりであったが,この日はもう五分咲 き程度には咲いている。しかし,手入れが足りないのか,樹勢が弱いのか,まったく花をつけていない木もあったりして, ちょっと残念な気がした。それでも,数組の人々がカメラを持って撮影していたり,見物の人々が花見を楽しんでいた。 |
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こうして見ても,花をつけていない木が目立つようだ | 無人駅のため駅舎はない |
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ほぼ一時間間隔で伊万里駅〜平戸口駅を結ぶ一両編成の列車が運行されている |
伊万里湾大橋を渡り,人口海浜海水浴場イマリンビーチへ 浦ノ崎駅を出て204号線を10分ほど東方向に戻り左折すると,伊万里湾大橋への案内が見える。伊万里湾大橋は, 伊万里湾をまたぐ,長さ651m,幅21.3mの4車線の橋である。伊万里湾の港湾機能を結ぶ橋として,2003年に 暫定2車線として開通した。この橋の完成によって,長崎県松浦市から同県福島方面へは伊万里市街地を通らずに 行けるようになり,35Km,約40分の短縮となったという。 伊万里湾大橋を渡りおえてしばらく北上して左折すると,人工海浜の海水浴場イマリンビーチがある。まだこの季節 は人影もまばらであったが,広々として気持ちがよいところである。ビーチの対岸にスカイウエイブを停めてしばし休憩 する。 |
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伊万里湾大橋を渡る | |
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向う側に見えるのが人工海浜海水浴場のイマリンビーチ |
長崎県福島,土谷の棚田(たなだ) 伊万里湾の入り口をふさぐ形で浮かんでいる福島は,1967年に福島大橋の完成で佐賀県伊万里市とつながった。 桜の見所は島に入って数分の所にある分岐を右折する大山展望台であるが,久しぶりに来たのでゆっくり島を廻って みようと思い,分岐を直進して島の奥,西の方に向かって走る。それが大正解。西の海が開けてくるところにくると,見 事な棚田が広がっていたのだ。もう田植えがせまっているようで,水の張られたたくさんの田んぼが海に向かって階段 状をなして連なっている様子は素晴らしい景観であった。今度は夕陽の時刻にまた訪れたいものである。 |
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島を周回する道路からきれいに見える | 狭い農道に入って棚田を見おろす場所で撮影 |
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西の海上には二つの島影が浮かんでいた | これまでの先人の労苦が偲ばれる |
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福島の大山展望台,満開の桜に酔いしれる 島を時計回りに一周して午後4時頃,大山展望台に到着した。風が強くて あいにくの曇り空であるが,壮年期を迎えた桜の木はほとんど満開である。 新しい展望台もできていて,この展望台からは桜の花の波の向うに,佐賀 県唐津市肥前町に属する多島海,イロハ島も展望することができる。 ←古い展望台の近くで缶入り緑茶と肉マンで腹ごしらえをする。 |
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福島の代表的な花,椿と桜 | あいにくの曇天が残念であるが,眼下にイロハ島を望む |
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新しくできた3階建ての高い展望台からは満開の桜の花が押し寄せる波のように広がって見えた | |
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素晴らしい花見スポットなのに,人出が少なく,ゆったりと過ごせたのが大変よかった |
大江戸の華,幡随院長兵衛も草場の陰から・・・ 夕方5時を回り,肌寒さを感じるようになったので帰途につく。30分ほどで自宅近くとなったがまだ明るい。そこで, 地元の桜の名所にも敬意を表してて訪問することにした。まずは,侠客幡随院長兵衛の生誕記念碑のある,長兵衛 公園。昭和5年に完成したという生誕記念碑は棹石の長さ6.3m,重さが18tという巨大なもので,完成の除幕式には 当時の名横綱双葉山が来たという。 ここの桜もほぼ満開であった。ぱっと咲いてぱっと散る,散り際のよさは,大江戸の華,大侠客の生誕地に一番ふさ わしい花であろう。しかし,時刻も遅いためか人っ子一人いない。満開の桜も心なしか寂しげに咲いていた。 |
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長兵衛公園の入り口にて | |
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クレーンもない時代によくもこのような堂々とした記念碑を |
最後は鵜殿石仏群を参拝 長兵衛公園から5分,ここも今を盛りと咲き誇っているが,見物の人間は誰一人いない。でも,こうやって地元の桜 をゆっくり見ることが最近はなかったので,久しぶりの郷土再発見のひと時であった。 かくして,ミニツーリングさくら 紀行は,約95Kmの半日コースで無事終了した。(2006.4.21掲載完了) |
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左の石段が石仏への登り口,この二つの写真は同じ桜の木の枝を下側と上側の両方から映したもの | |
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鵜殿石仏群の主要部分,夕方6時近くとなり,写真撮るにはぎりぎりの時間帯であった |