沖縄プチツーリング 2001年8月27日(月)

沖縄ツーリングマップ 北海道があるなら沖縄がある

と、ばかりに沖縄編を書こうと思うけど、ネタはあまり無い
のである。
2001年夏、偶然にも沖縄を走る機会があった。しかし、
残念ながら写真はあまり撮ってないし、詳細な記録もな
いのだ。
暑さの中、帰りの飛行機の出発時間を気にしながら、レ
ンタルバイク「スズキ・スカイウエイブ」で那覇を出発。
「とにかく辺戸岬まで行って帰る」が唯一の目的のプチ
ツーリング。
この貴重な沖縄プチツーリングを、記憶をもとに紹介して
みよう。

 マークの写真は、フジフィルムの中判カメラGA645Ziプロで撮影(フィルムはFUJI プロビア100F)
    したものをスキャナー(エプソンGT-8700F)で取り込んだ。(2003.5.11追加更新)

職場のツアーで沖縄へ
1日目の8月25日(土)、8時35分発のJAS891便で福岡空港を出発。10時15分、無事那覇空港に
着陸。午後はタクシーで鍾乳洞や首里城公園などを見て廻る。途中、タクシーの運転手さんに紹介され
た店で食べた沖縄そばがうまかった。

色とりどりの花とシーサー、沖縄ならではの風景である
復原された首里城の入り口を登る この赤の色の再現には大きな苦労があったそうだ
夜は琉球料理の店で食事をしながら沖縄舞踊を鑑賞する。うら若き(?)、きれいな沖縄女性の踊りに
集中しすぎていたためか、何を食べたかよく覚えていない。(笑) しかし、確かに、ここの料理よりお昼
に食べた沖縄そばがうまかった気がする。
首里城
1992年に復原された首里城の入場券 肖像権保護のため不気味なのっぺらぼー

2日目、ツアーのハイライト渡嘉敷島へ

8月26日(日)10時、那覇の泊港発フェリー「けらま」に乗船。船中はビーチ族(という言葉があるか
どうか知らないが)の若者でであふれている。もうすっかりビーチモードの若者がラジカセから音楽を
流しながら声高にしゃべりまくっている。
普段は、お堅い仕事をしている我々も、ビーチサンダルにTシャツ+サングラスで、彼らの雰囲気にと
け込もうと必死に努力していた。しかし、これだけの人間を収容するだけのビーチがあるのか不安に
なってくる。
トカシクビーチ
那覇、泊港出発前に、フェリー「けらま」で 透明なコバルトブルーのトカシクビーチ
所要時間の70分が過ぎて、フェリー「けらま」は渡嘉敷港に入った。この船の定員が約500名だから、
人口が700人の渡嘉敷島に、この船だけで人口と同じくらいの人間が降り立ったわけである。迎えの
マイクロバスで10分ほど揺られて、トカシクビーチに着いた。まず昼食を済ませて、いざコバルトブルー
の海へ。

ダイビング
ひとしきりビーチで泳ぐと、あとは何もすることがない。ダイビングのポイントに運んでくれるという船が
あったので、一人三千円払って運んでもらう。10分ほどでアムロ島という小さな無人島の近くに着く。
我々のほかに家族連れがいたので、一目で初心者と分かったのだろう。船長兼ガイドのお兄さんが、
船を初心者用のポイントに泊めてくれる。潜らなくても船上からきれいな珊瑚礁が見えている。ここは
おそらく、日本で一番きれいな海に間違いないと、玄界灘のきれいな海辺に住んでいる我々だからこ
そ、より強く確信できた。それほど、青い色に深みがあってかつ透明感のある海の色であった。
「沖縄の海に不審な浮遊物出現!」
というタイトルがつきそうな写真であるが、同僚が撮影したれっきとしたダイビング中の私の写真なの
である。一応ちゃんと泳げるのであるが、初体験のシュノーケルから水が入ってきそうで潜るのが怖
くて、海面に浮きながら、珊瑚や魚を見ているのである。失神して水に浮いているカエルみたいで,
かなりカッコ悪いけど・・・・
同僚のインスタント水中カメラで撮影 船上から富士フイルムGA645Ziプロで撮影

3日目、自由行動の時間に・・・,そうだレンタルバイクでツーリング!

3日目、8月27日(月)は各自自由行動の日であった。さて、どうして過ごそうと2日目の夜、ホテルで
パンフを見ていたら、な、な、なんとレンタルバイクのチラシが目についた。そうか、そんな手があったの
だ。しかも、250CCのスクーターがレンタルできる。さらに、ホテルまでの出迎えと、空港までの送りも
ついているのだ。これを逃す手はない。早速予約を入れる。
スズキ・スカイウェイブ
約束の8時、ホテルのロビーに降りると、迎えの青年が来ていた。ホテルから数分でレンタルショップに
着く。すでに、250CCのスズキスカイウェイブが玄関先に用意してある。免許証を見せて、必要事項を
申込書に記入する。料金は6時間コースで5900円。別にヘルメットが500円で、合計金額は税込み
6720円。
スカイウェイブの走行距離を見ると1194キロを示している。まだほとんど新車同様である。昔、富士重
工のラビットに乗っていたが、250CCのスクーターは初めてである。最近は大型スクーターがヒットし、
都会では一つのトレンドとなっている。しかし、地方ではまだあまり見かけるということがなかった。初め
て間近に見るスカイウェイブは重量感があって、ボディも大変堂々として見える。
シャープなフロント 横から見れば重量感あるデザイン 沖縄の海と空とスカイウエィブ
旅の荷物をショップに預けて、ヘルメットをかぶりエンジンをスタートさせる。4サイクル単気筒の懐かし
い音が響いてくる。一台前のマイバイクが、4サイクル単気筒のホンダのクラブマンであった。もちろん
クラブマンより上品でマイルドな排気音であるが。
シートにまたがってみると、おっと、これはまたがるというより腰を下ろすという感じである。足を揃えて
ステップに乗せるとあとはアクセルを開くだけ。ショップの人に「では・・」と会釈で挨拶を送り出発する。
それなりの車体重量もあるので、最初はゆっくりとアクセルを開けたつもりだが、あ、あ、あっこれは、
何というスムーズさ、何という力強さ。ソファーにかけたまま、ぐ、ぐーっと前に運ばれる感じである。

辺戸岬をめざして
沖縄にはずっと前に一回来ていた。その時は南部の戦跡を中心に見て廻り、あとはレンタカーで中央部
の本部半島まで足を伸ばした。しかし、それより北には行っていなかったので、今回は北端の辺戸岬と
決めたのである。レンタルショップがくれた地図を見ると、那覇から辺戸岬までは約110キロあるようだ。
往復220キロは6時間コースである。16時発の飛行機に乗るためには、余裕を見てショップには14時
半には帰りつきたい。そろそろ9時になろうとしているので、あまり余裕はない。そこで、迷わず名護市ま
で高速道路を選択した。
安定感のある走り
沖縄全体がそうだが、南部は特に高い山地がなく台地上の地形のために高速道からの見晴らしがいい。
最初は何も操作するものがない両足が手持ちぶさた(?)であるが、慣れたらこんなラクチンな乗り物は
ない。
たった23馬力しかないのに、体感するパワーはもっとあるようで、加速は乗用車に負けない。ホイール
ベースが1590ミリもあるためか、何よりも道路に吸い付いたように走る安定感が頼もしい。ブレーキの
タッチも大変良く、信頼感がある。両ハンドルのブレーキは、右が前輪、左は前後連動式となっている。
実は左が前後連動式というのは後で知ったのである。いつものように、前輪・後輪のブレーキのバランス
を考えながら操作していたが、道理で制動力にもしっかりした感じがあったわけだ。一度だけ信号でブレー
キのタイミングが遅れてしまい、停車中の前車との余裕があまりなかったが、パニック状態にはならずきち
んと止まってくれた。
沖縄・夏・ツーリング・暑い
大体夏のツーリングは暑い、当たり前のことだが、これが沖縄、しかも
天気は快晴ときている。その上、昨日の夜国際通りで買った長袖のT
シャツを着ているので特に暑い。走っている時は感じないが、止まった
とたんに汗がどっと出るのだ。
しかし、いくら暑いとはいっても疲労度や
転倒時の危険度を考えると半袖で走るのは邪道なのである。

許田ICで高速を降りて国道58号線を走る。休憩を兼ねて、コンビニで
飲み物と日焼け防止の手袋、それに中判カメラとデジカメしか持ってき
てなかったのでインスタントカメラを買う。停車したとたんに汗がふき出
すので、飲んでいるペットボトルの冷たいお茶が、飲んだその場から体
外に出ていくような感じである。

←名護市を抜けて小休止)
末端症候群
なんでだろ、人は半島や岬が好きである。それは多分、岬の突端に立つと、「これ以上は行けない、ここ
で道は終わりだよ。あんたはよくやった。」と言われているようで、征服感を満足させられるからであろう。
よって、この習性を末端症候群と呼ぶことにしよう。この水平移動の末端症候群は極めれば北極と南極
になってくる。これ以上北(南)はないというわけである。しかし北極となると難儀である。これが、垂直移
動の末端症候群の場合はもっと難儀である。最終的にはエベレストに登らなければ満足できないであろ
うから。
しかし、これは陸上生活者の視点である。海上を行き来している人にとっては岬は単なる通過点である。
岬にはよく灯台があり、航路の道しるべとなる重要な通過点である。しかし、普通は岬には港はないから
船にとっての目的地とはならないのである。

浜辺で小休止 遠くに海水浴客が見える

名護市を抜けたらとたんに人家が見あたらなくなり、国道の交通量も目立って少なくなった。時間は11時を過
ぎている。少なくとも12時までに岬に着くというのが最大目標である。左側にはきれいな沖縄の海が広がって
いるが、ゆっくり眺めながら走る余裕がない。12時になったら引き返そうと、国道58号線を急ぐ。12時を回っ
たところで辺戸岬入り口の看板が見えてきた。かくして、ギリギリのところで私の末端症候群が満たされたのだ。

岬にて
駐車場にスカイウェイブを停めてカメラを持って遊歩道を歩くと、ほどなくして一面に海が広がって
きた。遠くに見えるのは鹿児島県の与論島か。1972年の本土復帰以前にはここに国境線があっ
たのだ。復帰記念の碑も見える。復帰前、ここに立って本土の島々を見ていた沖縄の人々の心が
伝わってくるような気がした。
しかし、どこまでも青い空と青い海。沖縄の南部の海を見ると、今でも激戦の第二次大戦をいやが
おうでも思い出させられるが、ここ辺戸岬には、開放的で明るく大きな海が広がっていた。
辺戸岬駐車場、この向こうに海が広がる 平和のハトのモニュメント 与論島を望む

ツーリングは帰り道も新鮮なのだ
時計を見ると、そうゆっくり見物するわけにはいかない。本当は、帰り道は東側の道を走って、北部を
一周しようと考えていたが、もとよりその余裕はない。来た道を引き返すだけである。今度は海を右側
に見て走る。帰りは距離感がつかめているので、時間的な見通しが立ってくる。なんとか帰着時間に
は間に合いそうである。
帰り道も同じ道を走ることになったが、車と違ってバイクツーリングでは、帰り道には帰り道なりの新し
い発見がある。同じコーナーでも、見えてくる景色の感覚が全然違う。行きで下った道は帰りは登り
である(当然だが)。そこがまた全然違った感覚を与えてくれる。これが、車で同じ道を戻るのなら退
屈の一言かもしれない。全身で路面状態や廻りの景色を感じることができるバイクならではの面白み
なのである。
運転にも慣れて、ちょっと余裕が出てきたので、インスタントカメラで下のような写真を撮ってみた。走
りながらのスナップであるが、安定感のあるスクーターならではである。しかし、安全運転上からはお
薦めできないことかもしれない。まあ、落としても惜しくないインスタントカメラだからこんな芸当もでき
たのだ。
こんな感じで、体の右側を海辺の景色が走り去る 左手を伸ばして、ちょっと珍しいカット

おわりに

予定時刻の14時30分になって、ショップの近くまで来たのに場所が分からない。仕方なく電話して
みると、信号を2つほど行ったところにショップがあった。14時30分を少し回った時間だったが、時間
超過料は不問だった。しかし燃料を満タンにするのを忘れていたので、近くのスタンドまで入れに行く。
満タンにしてもらって料金を払う時になって、驚いた。な、な、なんとたった791円(税込み)だったので
ある。「マジかよ」と言ってみたくなる感じであった。給油量は7.68リットルだから、リッターあたり30
キロ弱走っている。これは超経済車である。
かくして、思いもよらぬ沖縄プチツーリングができた。この日以来すっかりスクーターファンになってし
まった。できたら、今のヤマハディバージョンをスカイウェイブに乗り換えようかとも思っている今日こ
の頃である。         

参考までにガソリン領収書
ガソリン領収書

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